やまがた里山養蚕染織研究所

2017/5/27 | やまがた里山養蚕染織研究所 | 藤の花、桑の萌黄

冬は寒く、夏は暑い山形で貴重な、過ごしやすい五月。

山のそこかしこで、藤の花が満開です。

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綺麗に整えられた藤棚も良いですが、のびのびと山肌に咲く藤も、幽玄で良いものです。

 

 

研究所の桑園では、苗木が一雨ごとにすくすくと育っています。

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お蚕さまが来るまで、あと約1週間。

五月晴れのもと、飼育道具洗いを行いました!

デリケートなお蚕さまが気持ちよく過ごせるよう、飼育道具は天日にしっかりと干して、殺菌をします。

 

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ほんの少しでも、何かの薬剤などが混ざってしまえば、病気が残っていたら、全滅してしまう事もあるとのこと!!

気の抜けない作業でした。

 

あとは、お蚕さまを待つばかりです!

 

 

 

 

 

 

 

2017/4/28 | やまがた里山養蚕染織研究所 | しらたかの春爛漫!

研究所のある山形県・白鷹町では、先週末から桜の開花がはじまり、

養蚕所では、山々の残雪を背景に、美しい姿を見せてくれています。

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桑の木の苗木からは、ぷくぷくと芽が育ってきました!

お蚕様をお迎えするまで約一ヶ月。

除草や消毒、防虫。

桑の木のお世話をして待ちます。

 

山形県・白鷹町は、自然が多く、春の草花を満喫できる場所です。

今日は、ほんの少し春のおすそ分けを写真にて。

 

 

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研究所敷地内の、「たらの芽」!! 天ぷらにして、冷たいおそうめんと食べる、お勧めです。

 

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ヒメオドリコソウ。染色に使え、緑みがかった綺麗ないろが染められます。

 

 

「美しい春」「おいしい春」「かわいい春」

研究所は春爛漫です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

2017/3/22 | やまがた里山養蚕染織研究所 | つむぎ糸

山形・白鷹町では、三寒四温の真っ只中です。

ぽかぽかと心地よい陽が照ったかと思えば、なごり雪がちらついたり、、

そこかしこに蕗の薹が顔を出して、春の匂いが日に日に強くなっています!

 

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桑畑での作業が始まるまで、あともう少し。

春の訪れを待つ間、糸紡ぎの作業を行っています。

白鷹町では昔、春の農作業が始まるまでの「冬仕事」のひとつとして、機織りや、真綿つむぎをしていました。

 

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竹を削って作った、真綿を固定するための道具です。町内の方のお手製です。

真綿を、ひっかけ、ぐるぐると巻きつけます。

(※真綿は、繭を煮てやわらかく伸ばしたものです。弱い光の中でも、ほのかに光沢を放ちます。)

 

真綿をほぐしながら、引き出していきます。

絹は長繊維なので、糸は切れることなく、すぅーっと伸びます。

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薄く引き出したら、指で撚りをかけます。

引き出して、撚って、引き出して、撚って・・・。

真綿特有の節が生まれ、生地を織った時の表情になります。

 

下の写真は、昨年の夏に、紅餅を作る際に出る汁で染めた真綿を紡いだものです。

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うっすらと、朱のかかった黄色の糸になりました。

 

 

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古織機の試し織りに、よこ糸として入れてみました。

節によって、リズムのある風合いに。

ふつふつと、愛嬌のある表情になります。

手触りはしっかりとしています。

紬が元々、その強度を重宝され、普段着として身近にあったことがわかります。

 

日々着ていく中で、肌になじみ、柔らかな風合いになっていく。紬の原点です。

 

「手作業でつむがれた糸には、血が通う」と聞いたことがあります。

昔は、家ごとに、つむぎ手ごとに、さまざまな風合いの紬があったのだろうな

などと思いを馳せながら、春待つ今日この頃です。

 

白鷹担当

2017/2/23 | やまがた里山養蚕染織研究所 | 古くて、新しい織機。 白鷹

2月も後半を迎えました。

山形の白鷹町では、まだまだ雪が降る日が続きますが、

ちらほら春の気配を感じさせる陽が差すようになりました。

 

 

やまがた里山養蚕染織研究所に、

珍しい織機がやってきました。

 

 

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こちらは、町内のとある方の御宅に眠っていた織機です。

 

下の新聞の日付に注目ください。

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この織機の部品を包んでいた新聞の日付が・・・50年前!

今80歳代の方のお姑さんが使った織機とのことです。

ですから実際に使われていたのは70・80年前でしょうか。

 

 

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高機には一部金属が使われているのが一般的ですが、こちらの織機では金属は一切使われていません

 

織子が掴んだ手で凹んだ筬(おさ)

何度も擦れてできた糸の筋

綜絖(そうこう)を吊るす手編みの紐

 

至るところに当時の人々の手仕事を感じ取れます。

 

 

作業手順も道具の使い方も、私たちが今まで知っている織機と違いました。

「どうやって使うの?!使ったことがある人がもういない!?」

70、80年も前に現役だった機ですから、当時を知る方も限られています。

 

 

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長い間仕舞い込まれていたこともあり、状態を確認しながら織機を扱う必要があります。

 

同じ白鷹町町内にある白鷹紬の小松織物工房 小松紀夫様よりご協力いただきながら、

組み立てから順に、作業を進めています

部品が欠けていることも無く、壊れの少ない状態で保存されていた機のようです。

 

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織るための、最初の作業のひとつ

経(たて)糸を綜絖(そうこう)に通していく作業。

一本、一本、指でくぐらせて行きます。

 

主流のものと比べて、効率は落ちるかもしれません。

 

けれどそれ以上に、柔らかな風合い、手仕事ならではの趣が生まれることに、

期待が膨らみ、

ワクワクと手が進みます。

 

もし今回ご縁が生まれなければ・・・。

この機は、いつかひっそりと、処分されていたかもしれません。

丁寧に丁寧にしまい込まれていた機。

立派な、本来の機としての姿に出会えたことに、とても感動しました。

 

この機に、ひとつひとつ息を吹き込む作業は、

古文書を読み解くようでもあり、

未知の文章を読むようでもあり。

 

「古くて、新しい織機」に日々感動させて頂いています。。

当時の暮らしに思いを馳せながら、新しい物語へ。

 

 

 

白鷹より、取り組みをはじめています!

 

白鷹担当

 

 

※今回、ご協力いただいている白鷹紬の小松織物工房 小松紀夫様

米沢藩が青苧(あおそ)や紅花(べにばな)など染料の産地から絹織物産地に変えたことで始まった「白鷹紬(つむぎ)」を手掛けていらっしゃいます。表面に細かい溝を掘った板に糸を巻き付けて、30~50枚の板を重ねて染める「板締め」の技法による縦横の細やかな絣(かすり)模様が特徴です。

平成28年 「秋の叙勲」にて、瑞宝単光章を受賞されました。



 

 

 

 

 

 

 

 

2016/6/22 | やまがた里山養蚕染織研究所 | とみひろ染織工芸がNHKに出演致します!

山形県の蔵王の麓に、私たち染織工芸の工房がございます。

先日、NHK山形の方々が、わが染織工芸の取材に訪れてくださいました。

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取材の模様は、以下のスケジュールで放映されます。

6月27日(月)PM6:00~ NHK山形

「やまがた6時」という番組内で、4分間に渡って流れる予定です。


日々、四季を肌で感じながら、心を込めてモノづくりしております。


山形県の方々、是非、ご覧ください!

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